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アンチエイジング情報TIPS
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2016.04.12
アルコール飲料やお菓子などに使われる沖縄特産柑橘のシイクワシャー。その果皮にはフラボノイドの一種のノビレチンが豊富に含まれ、様々な健康機能が明らかになってきています。今回はその一部をご紹介いたします。
沖縄には特有の食材が豊富にあり、そのなかでシイクワシャー(シークワーサー、シークヮーサーとも呼ばれます)という名前を一度は耳にされたこともあると思います。この果物は沖縄県北部の名護市と大宜味村で栽培されています。大宜味村は「長寿宣言の村」であり、シイクワシャーが長寿の一因といわれており、古くからシイクワシャーに含まれる成分が健康長寿に関連しているのではないか、と推測されていました。今回はシイクワシャーに含まれる成分とその有効性に関する研究結果をご紹介いたします。
シイクワシャーには特有の成分が含まれており、その中でも特に多く含まれているものとしてノビレチン(nobiletin)とタンゲレチン(tangeletin)があります。これらの成分は、他の柑橘類にはあまり含まれておらず、シイクワシャーの果皮に多く含まれています。
果汁は皮ごと絞るため果汁中にもこれら成分は含まれますが、メーカーによって絞り方が違うため果汁中の含有量は様々です。
ノビレチンやタンゲレチンの有効性については、これまで様々な研究により以下のような作用が解明されてきています。
※アディポネクチン:脂肪細胞が特異的に分泌する生理活性物質(アディポサイトカイン)の一種で、動脈硬化や糖尿病を防ぐホルモン
CTによる計測で内臓脂肪面積が100cm² 以上の成人男女32名を対象とした二重盲検並行群間比較試験の結果、シイクワシャーエキス末3,300mg/日(ノビレチン50mg/日およびタンゲレチン50mg/日)またはプラセボ食を8週間摂取したところ、血清アディポネクチンは、被験食群が有意に増加し、群間の比較においても、被験食群の変化量はプラセボ食群に比べて有意に高値でした(第39回 日本動脈硬化学会総会・学術集会 抄録集)。
マウスの下顎歯肉に炎症を誘導するLPS(リポ多糖)およびノビレチンまたはタンゲレチンを局所投与したところ、LPS誘導性の歯槽骨破壊に対し両成分が抑制効果を示しました。また歯槽骨器官培養を行い、LPS誘導性の骨吸収活性を調べた結果、両成分の添加により骨吸収は抑制され、歯周病の予防因子としての可能性が示唆されました(東京農工大学博士論文)。
学習記憶障害モデルマウスに対しノビレチンを50mg/kgを4か月間投与した結果、アミロイドβ-40は約60%、アミロイドβ-42は約50%減少しました。また沈着も50%程度減少し、脳内の蓄積に対しては予防効果を、さらに既に蓄積している場合には治療効果を有することが示唆されました(東北大学 抗認知症機能性食品開発部門WEBサイト)。現在、内閣府戦略的イノベーションプログラム「次世代機能性農林水産物・食品の開発」事業で認知・記憶改善効果をヒト試験において検証中です。
シイクワシャー果皮成分は、生活習慣病、歯周病、認知機能に対する効果があることから、健康長寿に役立つことが期待されます。
【参考】アークレイからだサポート研究所サイトともるルギつをテキスト」、ギー相談員養成研修会テキスト
2016.04ヘルシーパス提供