1. HOME
  2. お知らせ
  3. プラセンタ療法

お知らせNEWS

プラセンタ療法をはじめました

2022.10改訂

歴史

プラセンタが医療目的に使用されたのは紀元前からであります。中国では秦の始皇帝が不老不死の妙薬として、また、楊貴妃も常時服用していたといわれています。西洋では、ヒポクラテスが実際に医療に活用していました。エジプトのクレオパトラ、フランスの王妃マリーアントワネットも若返り、美容の目的で利用しています。日本では江戸時代、加賀の三大秘薬の1つである混元丹に含有していたといわれています。

薬剤としての開発

日本では1959年に、胎盤から抽出した製薬が開発され、ラインネックは慢性肝障害に、メルスモンは更年期障害の治療薬として厚生省の認可を受けて、すでに50数年の実績があります。

プラセンタとは

プラセンタは帝王切開時に妊婦の同意を得て提供された胎盤で作られます。胎盤は、胎児の栄養、代謝、排泄、内分泌などの作用を代行しています。

薬理作用

薬理作用としては、自律神経の調整、基礎代謝の向上、免疫力の増強、抗炎症、創傷回復の促進、などの効果があげられます。また、通常ホルモンを補充する場合には、ホルモンが増加しますが、プラセンタの場合には足りない物が増え、多すぎるホルモン分泌を調節する作用があるとされています。

アンチエイジングとしての効果

最近はアンチエイジングとしてのプラセンタの効果が注目されています。若い方は、肌荒れ、美白、保湿などの目的が多いのですが、このほかに疲労回復、風邪予防、更年期障害、生理痛、生理不順、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、腰痛、肩こり、自律神経失調、などにも効果が期待されます。当院では70-80歳代の高齢者の方も元気になるためにうたれています。

投与方法

週1回、メルスモン2アンプル(1A=2ml)、ライネック2アンプル(1A=2ml)を左右の腕に別々に皮下注射します。人によっては臀部に打つこともあります。これを12週間続けていただくとはっきりした効果が分ります。打つ前後で問診票を記入していただき判定します。その後はそのまま続けられてもいいですし、回数を減らされても良いと思います。ただ間隔を開けすぎると効果が薄れてきますので、その時は間隔を短くすれば良いかと思います。

注意

プラセンタを注射した方は、献血ができません

副作用

まれに注射部位の疼痛、過敏症、硬結などが現れる場合があります。本剤はタンパクを含むため、ショックを起こすことが理論的には考えられますが、今までに死亡例、重篤な副作用の報告はありません。

価格

自費診療です。
1A(アンプル)1,100円(税込)
4アンプルの場合1回3,300円です。

この他に、初回のみ初診料3,300円(税込)がかかります。再診時は注射代のみです。

以下は院長が執筆した論文「老い対策」としてのアンチエイジング医療〜高齢者に対するホルモン補充療法を考える〜アンチ・エイジング医学14(6):026(776)-034(774), 2018.の一部を抜粋したものですが、プラセンタの高齢者に対する効果を述べたものです。

プラセンタ注射

2012年、韓国から高齢者に対するプラセンタ注射の効果が報告された14)。65歳以上の男女の高齢者に対して、プラセンタ(日本での商品名はラエンネック)を8週間投与した。最初の2週間は週に4アンプル、次の2週間は2アンプル、最後の4週間は1アンプルであった。結果はプラセボ群に比べ、プラセンタ投与群で身体能力やうつ状態が明らかに改善した、としている。

当クリニックでもこの論文に着目し、元気のない高齢者に対して、その効果をみてみた。インフォームド・コンセントにもとづき説明の上で同意を得た15名(男3名、女12名、51〜85歳、平均71歳)に対してプラセンタの皮下注射を行なった。方法は1回4アンプル(ラエンネック2アンプル、メルスモン2アンプル)を両上腕に、片方にラエンネック2アンプル、他方にメルスモン2アンプルを皮下注射し、週1回の頻度で、12週間続けた。副作用は注射部位のしこりや皮下出血以外はなかった。表3に結果を示すが、主訴は、耳鳴り、疲れ、膝痛、腰痛、元気がない、イライラ、痺れ、食欲なし、などと多彩であったが、肌が良くなった、元気が出てきた、痛みも軽減し仕事ができるようになった、食欲が出てきた、など全員でなんらかの改善を認めた。

表3.プラセンタ皮下注射の効果
年齢性別効果
67歳耳鳴り → 改善した
67歳疲れ → 元気になった
81歳膝痛 → 痛みも軽減、肌がよくなった
51歳神経痛、イライラ → 痛みよくなった、イライラも消えてきた
79歳腰痛 → 痛みが取れて畑で仕事ができるようになった
82歳顔面しびれ → 徐々によくなってきている
53歳腰痛 → よくなってきている
84歳元気なし → 喋れるようになった、食欲アップ
77歳しびれ、蟻走感 → 肌がよくなった、しびれは軽快
85歳食欲なし、背部痛 → 食欲アップ、痛みは同じ
72歳下肢痛、イライラ、抜毛、物忘れ → 明るくなった、下肢痛が取れた
69歳元気がない → 疲れにくい、元気が出てきた
54歳疲れやすい → 体カアップ、疲れにくい
70歳肩凝り、肌不調 → 体調よい、肩凝りはよくなった、肌よくなった
75歳元気なし → 元気アップ、肌よくなった

◎:著効、○:有効