1. HOME
  2. アンチエイジング情報
  3. メチル化レスベラトロール1

アンチエイジング情報TIPS

メチル化レスベラトロール1

2013.01.17

メチル化レスベラトロール(プテロスチルベン)という、あまり耳慣れない素材が最近アメリカやインドなどで注目を集めています。そこで2013年のスタートはこの素材について2回シリーズでご紹介いたします。

メチル化レスベラトロールって?

レスベラトロールは、以前NHKの番組で「長寿に効果がある」と取り上げられ、一躍有名になりサプリメント業界でも大ブームを引き起こしました。レスベラトロールは寿命と関連のある遺伝子(サーチュイン遺伝子)に働きかけることで、線虫をはじめとした様々な動物の寿命が延びるという試験結果が紹介され、アンチエイジングに効果があると言われています。レスベラトロールは赤ワインに多く含まれるため、フレンチパラドックスと関連しているとも言われており、効果を期待した多数の会社から「赤ワインエキス」「ブドウエキス」などの名前で原料あるいはサプリメントとして商品化されています。

一方、アメリカやインドでは、レスベラトロールを上回る効果が期待できると言われている「メチル化レスベラトロール(プテロスチルベンとも言われています)」が注目を集め始めています。

レスベラトロールとなにが違う?

「レスベラトロール」の前に「メチル化」という名前がついているこの成分ですが、なにがレスベラトロールと異なるのでしょうか?

レスベラトロールとメチル化レスベラトロールの大きな違いは、その分子構造です(下記参照)。

メチル化レスベラトロールはレスベラトロールの構造のうち2か所がメチル化(メトキシ基-OCH3に置換)した形で、それが「メチル化レスベラトロール」と呼ばれる所以です。


このちょっとした構造の違いによって性質が変わり、期待される効果が異なることがこれまでの基礎研究でわかってきています。

何からどうやって採取している?

メチル化レスベラトロールもレスベラトロールと同様、植物がウイルス・細菌・カビや多量の紫外線曝露などから自身を守るために分泌する「ファイトアレキシン(Phytoalexin)」と呼ばれる成分のひとつです。

インドに自生するマメ科植物であるプテロカルプスマルスピウム(Pterocarpus marsupium)にメチル化レスベラトロールは多く含まれており、この植物から採取することができます。インドの伝統・民間療法であるアーユルヴェーダでは、この植物が糖尿病治療に古くから用いられていると言われています。

レスベラトロールは、前記の構造式からわかるように水酸基(-OH)が3つあるため、エタノールを水で薄めた溶媒(含水エタノール)で抽出されますが、メチル化レスベラトロールはメチル化しているため含水エタノールでは抽出されず、100%エタノールで抽出されます。

バイオアベイラビリティ

わずか2か所の構造の違いにより、メチル化レスベラトロールはレスベラトロールと比較して脂溶性が高くなり、より体内に吸収されやすく、生体内利用率(バイオアベイラビリティ)は、レスベラトロールでは経口摂取したうちの20%程度であるのに対して、メチル化レスベラトロールは70~90%にも達するとの報告があります。

また、血中滞留時間も長くなることがわかってきています(レスベラトロール:~14分、メチル化レスベラトロール:~105分 単回摂取)。 更にラットでの経口投与試験では、レスベラトロールに比べ血中濃度の維持時間が3倍近く長いという結果も示されています。

有効性を発揮するには

試験管レベルの評価で効果が認められたにもかかわらず、人が摂取したときに十分な効果が得られない、というサプリメント素材は少なくありません。

これは、先ほどのような「生体内にどれだけ取り込まれるか」また「生体内でどれだけ長く留まっているか」が大切な要因となっています。

これまでみてきたように、レスベラトロールには様々な効果が期待される反面、生体内での利用効率が悪いことがわかっているため、効果は同等かつ、より生体内利用率の良い原料の開発が進められてきましたが、近年、メチル化レスベラトロールが最適であろうとの研究成果が明らかになってきています。次回は、これまでに調べられた有効性について具体的にご紹介いたします。

つづく

2013.01ヘルシーパス提供

スタッフによるブログ始めました!!