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コエンザイムQ10の(CoQ10)基本

2012.09.03

コエンザイムQ10は、別名ユビキノンとも呼ばれる生命活動に不可欠なビタミン様物質です。

コエンザイムQ10とは

コエンザイムQ10は体内のあらゆる細胞に存在する生命活動に重要な補酵素(コエンザイム)で、主に肉類や魚介類などの食品に含まれる脂溶性のビタミン様物質です。アミノ酸のチロシンと、糖代謝の中間物質でもあるアセチルCoA から体内で合成することができますが、20代をピークに体内での生成量は大幅に減少するといわれており、健康な生活を送るためには食材からの摂取を心がける必要があります。

コエンザイムQ10の体内での主な役割

エネルギー代謝

コエンザイムQ10はミトコンドリア内で行われるエネルギー(ATP)産生のうち、最終経路の電子伝達系で電子の受渡しに利用され、コエンザイムQ10が不足すると電子が経路中に滞り、エネルギー(ATP)産生不足の原因になります。エネルギーが不足すると、だるい、疲れやすい、食欲がない、冷え性、風邪をひきやすいなどの症状がみられます。

抗酸化作用

活性酸素はエネルギー産生の副産物として作られる他、激しい運動、疲労、ストレスなどが原因で発生します。コエンザイムQ10は高い抗酸化作用で活性酸素を分解する以外にも、活性酸素の除去に使われ、抗酸化力を失くしたビタミンEを再生する働きもあります。また、CoQ10は脂溶性の抗酸化物質なので、細胞膜の中で働くという特徴があります。

コエンザイムQ10の体内存在量

コエンザイムQ10は、エネルギーが多量に必要な臓器に、集中して存在していますが、その量は20代をピークに減少します。その割合は、心臓内では40代で約44%減、80代では約60%も減少し、その他、呼吸活性の高い腎臓、肺、肝臓でもピーク時と比較して大幅に減少すると報告されています。(株式会社カネカHPより)

2種類のコエンザイムQ10:酸化型/還元型

コエンザイムQ10には、酸化型の「ユビキノン」、還元型の「ユビキノール」の2種類の形があります。食品に含まれるのは酸化型で、摂取後、体内で還元型へと変換された後、各臓器へと運ばれ利用されます。

酸化型コエンザイムQ10から還元型コエンザイムQ10へ変換される力も、加齢やストレスとともに低下するといわれています。 (国立健康栄養研究所HPより)

還元型コエンザイムQ10

現在では、血中にある形である還元型コエンザイムQ10を、そのままの形で摂取することも可能になりました。これによって体内で酸化型から還元型へ変換しなくても利用することができるため、コエンザイムQ10の必要性が高いと考えられる、激しい運動をする方や、変換する力が弱くなりがちなお年寄りに推奨されています。

末期うっ血性心不全へのポジティブな臨床試験

米国の末期うっ血性心不全患者7名(心機能指標NYHAクラスIV、平均EF値22%)の酸化型コエンザイムQ10摂取(450mg/日)を還元型コエンザイムQ10摂取(平均580mg/日)に切り替えた所、血清中コエンザイムQ10濃度は平均1.6μg/mLから6.5μg/mL~4.1μg/mL上昇し、平均EF値は22%から39%へ上昇がみられた。また、NYHAでは平均クラスIVから平均クラスII (I~III)まで心機能を改善することができた。


クラスI:軽度心疾患(通常生活問題なし)、
クラスII:中軽度心疾患(通常生活にある程度の制限)
クラスIII:中度心疾患(普通以下の生活でかなりの制限)
クラスIV:重度心疾患(要入院)
Biofactors 2008;32(1-4):119-28

スタチンとの併用の必要性

スタチン(高脂血症治療薬)を服用すると、体内のコエンザイムQ10濃度が下がるという報告があります。

スタチンはコレステロール合成を阻害する働きが期待されていますが、スタチンがコレステロール合成と途中まで同じ経路を辿るコエンザイムQ10合成も同時に阻害してしまいます。実際、プラバスタチンを20mg、12週間摂取した人の血中コエンザイムQ10の減少率は50%だったという報告もあります。(株式会社カネカ資料より)

【参考】国立健康・栄養研究所HP、株式会社カネカHP・資料

2012.08ヘルシーパス提供

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