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アンチエイジングと糖化2

2012.06.20

前回は、糖化とは過剰な糖の摂取が体内の至る所にあるタンパク質と反応することで糖尿病合併症や皮膚の硬化、あるいは老化に結び付いているという話をしました。

今回は、その糖化反応と、糖化反応で生じる糖化反応物質について詳しく見ていきます。

糖化反応の経路

糖化とは、ブドウ糖や果糖といった、食品に含まれる「糖」と生体内にある「タンパク質」とが酵素を使わずに反応し、糖化産物といわれるものができる反応を言いますが、糖化反応は非常に複雑な経路をたどることがわかっており、初期反応として「シッフ塩基」を形成し、アマドリ転位により「アマドリ化合物」が生じます。

ここで反応したものは前期反応生成物と呼ばれ、糖尿病マーカーである「HbA1c」は、その代表的なものです。前期反応生成物はさらに「ジカルボニル化合物」に変化し、最終的にはこれ以上反応が進まない「糖化最終生成物(AGEs:Advanced Glycation Endproducts)」が出来上がります。

糖化のマーカー

このような糖化反応により生じる物質を、「糖化の指標」として測定することができるようになってきています。

例えば、糖化の中間体である3DG(3-デオキシグルコソン)、GO(グリオキサール)、MGO(メチルグリオキサール)は、反応性が非常に高く、AGEになりやすい性質を持っているため、これらの糖化中間体を測定することで糖化の進行度がわかります。また、最終糖化物として CML(カルボキシメチルリジン)、ペントシジンが知られており、これらの濃度を測定することで、既にどの程度まで糖化してしまっているか否かを測定することができます。特にペントシジンは、腎症の早期臨床マーカーとして既に利用されており、AGEは臨床的にも非常に重要な測定項目として確立してきています。

肌の糖化度がわかる?

最近の研究では、コラーゲンが糖化した物質(CMA:カルボキシメチルアルギニン)が見つかっており、この CMA を測定すると、特に皮膚や骨の糖化程度を測定できます。

また、代謝回転の速い表皮層にもAGEsが存在していることが明らかになってきており、肌のキメが低下した角層中に多く含まれていることがわかってきています。

糖化マーカーの測定

一般的には、このような糖化マーカーは血液中に存在し、採血をしたうえで血液中の濃度を測定します。先ほど記載したペントシジンや3DG、CMLはすでに血液検査受託機関で測定できるようになっています。

最近では、血液を採ることなく体内のAGE量が測定できるとされる測定機器もあり、これらは皮膚中の AGE を非侵襲的に測定し、AGE 年齢として結果が出るようになっていて、実年齢との差を見ることでエイジングの進み具合を判断します。

更に最新の研究では、セロハンテープのようなシールで表皮組織を取り、角層中のAGE(CML等)が簡単に測定できるようになってきているようです。近い将来、採血の負担なく皮膚中に含まれるAGEを直接測定することで、自分の糖化の進み具合を手軽に測定し、診断や治療に役立てていけるようになりそうです。

次回、「アンチエイジングと糖化」の最終回では、糖化反応を防ぐ食べ物についてご紹介します。

2012.06ヘルシーパス提供

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