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アンチエイジング情報TIPS
アンチエイジング情報TIPS
2011.11.02
「眼」をターゲットにしたサプリメントが世の中に増えてきており、最近では、加齢性眼疾患と生活習慣や栄養素の密接な関わりを示す研究も発表されています。
私たちの体は皮膚によって外部の刺激から守られています。また、髪の毛や体毛でさらに厳重に守られている部位もあります。しかし、眼球は外部の光を受ける必要がある部分なので、皮膚も毛も無くむき出しの状態です。細胞にダメージを与える太陽光の害を直接、長年にわたって受けてしまう眼球は様々な疾患を患いやすく、体の内側からの防御がとくに重要です。
加齢によって起こる眼の疾患には次のようなものがあります。
高齢者の視力障害で多くみられる疾患で、網膜の「黄斑」と呼ばれる部位が太陽光、放射線の暴露、喫煙、高血圧の影響で形が変化していまい、物が歪んで見えたり、視力が低下してしまう疾患です。症状が進むと失明の可能性もあります。
眼の水晶体が白や茶色に濁って見えにくくなったり、視力が低下してしまう疾患で、加齢が原因のものと先天性のものがあります。加齢性白内障は太陽光、放射線、糖尿病、喫煙、飲酒による酸化ストレスの増加により進行するといわれています
眼の健康に役立つ栄養素は下記の通りです。
強力な抗酸化剤として活性酸素を消去して酸化ストレスを低下させます。
抗酸化作用に加え、免疫力を向上させ、網膜症などの糖尿病合併症を抑制します。
夜盲症や眼の乾きを予防したり、免疫力を向上させて感染症を予防します。
視力の維持、細胞の再生促進、免疫力の向上に役立ち、抗酸化ミネラルとして酸化も防ぎます。
黄斑部に存在する色素で、抗酸化剤として眼の細胞組織を守ります。緑色の野菜や果物に多く含まれます。
黄や橙色の野菜や果物に多く含まれ、ルテインと同様に抗酸化剤として働きます。
魚油に含まれるオメガ3系脂肪酸で、炎症抑制効果や血液循環を良くしたり、ルテインの吸収を助ける役目があります。
赤紫色の色素のアントシアニンが、強力な抗酸化作用で活性酸素のダメージを抑えたり、血行を改善させる働きをします。
眼疾患と栄養摂取に関する研究では、AREDSが有名です。
1992~2006年に、AREDS(エイレッズ Age-Related Eye Disease Study)と呼ばれる加齢黄斑変性症(AMD)や白内障などの加齢性眼疾患の大規模な研究が、アメリカ国立眼研究所で行われ、高用量の抗酸化物質と亜鉛の加齢性眼疾患に対する臨床的有用性が示されました。
55歳~80歳の加齢黄斑性変性症(AMD)患者3600名に抗酸化作用のある栄養素(ビタミンC500mg、ビタミンE268mg、βカロテン15mg)と亜鉛(80mg)、銅(2mg)を摂取させたところ、抗酸化栄養素と亜鉛、銅を摂取したグループは、そうでないグループに比べ初期患者の5年後の後期患者への進行が25%減りました。また、失明率も19%低くなったことも報告されました。
しかしながら、加齢黄斑変性症を伴わない加齢性白内障患者1000名に抗酸化作用のある栄養素(AMDと同じもの)を摂取させても、症状の進行抑制や回復には繋がらないことも示されました。
アメリカではAREDSの結果を反映させた眼疾患用サプリメントが広く販売されています。
現在、AREDS-2 と呼ばれる研究が進められています。AREDS-2は、強力な抗酸化物質と期待されるルテインとゼアキサンチン、オメガ3系脂肪酸(EPA、DHA)の有効性を調べる研究で2012年12月に終了する予定です。
この研究は、臨床的有効性を後押しする有力な研究になり得ると、多くの関係者が注目しています。
【参考】最先端のアンチ・エイジング医学:(株)ディスカバー・トゥエンティワン、薬剤師がすすめるビタミン・ミネラルの使い方:丸善(株)、Age-Related Eye Disease Study、https://web.emmes.com/study/areds
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