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アンチエイジング情報TIPS

疾病別の栄養アプローチ

2011.08.29

ビタミンやミネラルの薬理作用

ビタミンやミネラルには、生命活動の維持に必要な作用(生理作用)の他に、通常よりも多い基準で摂取することで得ることのできる薬理作用があります。薬理作用には、抗酸化作用(活性酸素除去)、血流改善、疲労回復、免疫力向上などがあり、様々な疾病の予防、治療に役立つ効果が期待されているものもあります。

糖尿病

クロム

クロムは、正常な糖・脂質代謝を維持するのに重要なミネラルで、特に血糖値の調整に対する作用が注目されています。クロム欠乏下ではインスリン作用が低下し、耐糖能低下が生じると考えられています。

ビタミンB群

ビタミンB群は糖代謝に不可欠です。特にビタミンB1は、糖代謝酵素の補酵素となって、糖の代謝に関与し、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸も糖代謝に大きな役割を果たしています。

抗糖化ハーブ

いくつかのハーブには、最終糖化生成物(AGEs)に対する生成阻害作用があることが知られており、抗糖化作用による糖尿病合併症予防効果が期待されています。

がん

がんの予防因子

米国がん研究協会(AICR)と世界がん研究基金(WCRF)は、共同の報告書において、様々ながんの予防因子として「可能性が高い」「可能性がある」という栄養素に「ビタミンC」「カロテノイド」「ビタミンE」「セレン」を挙げています。

ビタミンC

ノーベル賞受賞者のライナス・ポーリング博士が約50年前にビタミンCによるがん治療を提唱し始めました。近年では、低濃度のビタミンCは抗酸化作用によるがん予防、高濃度のビタミンCはがん細胞を選り分けて死滅させることなどがわかっています。

一方、がん患者の場合、がんという病気自体でビタミンCが減少しているほか、食事からの摂取量の減少、吸収・利用率の低下、入院生活によるストレス、放射線療法、抗がん剤の服用による薬物代謝の増加など、がん患者の血中ビタミンC濃度が減少する要因が多数あります。そのため、ビタミンCの血漿濃度を上げ、防御機能を高めておくことも大切です。

ビタミンD

ビタミンDには、大腸がん・白血病のリスク低減、消化器系がんの発生率と死亡率低減、乳がんの発生率低減などの作用が期待されています。

ビタミンDと死亡率に関わる18の論文をメタ解析した結果、全体で死亡率が7%低下していたという発表もあります。※1この発表でのビタミンD摂取量は 300 - 2000IU と範囲に幅がありますが、そのうち15の研究で死亡率低下がみられています。また、カルシウムを共に摂取させてもその死亡率は変わらなかったことから、骨粗鬆症予防(転倒予防)のみによって死亡率が低下したわけではないということも分かり、ビタミンDのがん予防、免疫力の向上作用に対する注目度が一層高まりました。

動脈硬化・高脂血症

抗酸化ビタミン

動脈硬化の発症と進行には活性酸素が大きく関わっているため、ビタミンC、ビタミンE、βカロテンなどの抗酸化ビタミンには、LDLコレステロールの酸化抑制効果が期待されています。

ビタミンB群

葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12 の摂取は、血中のホモシステイン濃度を低下させることで、動脈硬化の抑制に有効であることが知られており、日本循環器学会の「虚血性心疾患の一次予防ガイドライン(2006年改訂版)」でも、血中ホモシステインレベルが高い場合、動脈硬化が進展することが証明されており、高値の場合には、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12の摂取が必要となる。と記載されています。

ポリフェノール

赤ワインなどに含まれるポリフェノールには、LDLの酸化抑制、肝臓でのLDLの異化促進、中性脂肪の吸収阻害、血管内皮障害の改善効果が期待されています。

食物繊維

食物繊維(水溶性)には、コレステロールを吸着して排泄を促進したり、胆汁酸の再吸収を阻害するなどの働きにより、血中コレステロールを下げる効果が期待されています。

EPA、DHA

オメガ3系脂肪酸、特にEPA、DHAには血中中性脂肪低下、血管内皮細胞の機能改善、血栓生成防止作用があります。

【参考】※1 P Autier. (2007) VitaminD Supplementation and Total Mortality.、ミネラル・微量栄養素の栄養学:第一出版、日本人の食事摂取基準2010年度版:第一出版

2011.08ヘルシーパス提供

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