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短鎖脂肪酸の働き1

2023.02.13

「脂肪酸」は「脂肪」の主要な構成要素で、その中でも炭素数が少ない(6個未満)ものを短鎖脂肪酸と呼びます。今回は脂肪酸全般も含めて、短鎖脂肪酸が体内でどのような働きをしているかについてご紹介します。

エネルギーと脂肪

脂肪は、たんぱく質、炭水化物とともにエネルギー産生栄養素のひとつで、1gあたり9kcal※もあります。食品中の脂質や体脂肪の大部分を占めるのが中性脂肪で、中性脂肪は人や動物にとって重要で効率的なエネルギー源となります。また、脂肪は脂溶性ビタミンの吸収にも不可欠です。※たんぱく質:4kcal/g、炭水化物:4kcal/g

一方で脂肪の過剰摂取は体脂肪として蓄積されることで生活習慣病を引き起こす原因となります。1)ちなみに人の体脂肪1kgは約7,000kcalに相当するとされていますので、エネルギーだけで考えると1カ月で1kgのダイエットを達成したい場合、計算上、毎日約230kcalのエネルギーを消費する必要があります。

中性脂肪と脂肪酸

体脂肪の大部分を占める中性脂肪(トリグリセリド)はグリセロールに3つの脂肪酸が結合して構成されています。

脂肪酸は炭素数の違いにより次の3つに分けられます。2)

ちなみに、主婦湿疹は主婦にできやすい手荒れですが、主婦だけでなく手洗いを頻繁にする人(医療従事者、調理師など)にもみられます。特に荒れやすいのは利き手の中でもよく使う親指、人差し指、中指の指先や指腹です。秋から冬は気温や湿度が低く、新陳代謝も下がるため手荒れが悪化する傾向があります。

  • 短鎖脂肪酸(炭素数約6未満)
  • 中鎖脂肪酸(約6~12)
  • 長鎖脂肪酸(約14~24)

短鎖脂肪酸は腸内細菌によって産生される酢酸、プロピオン酸、酪酸などがあります。腸内細菌から産生される短鎖脂肪酸は、「腸内pHを低下させることで悪玉菌を減少させ、善玉菌が働きやすい環境を作る」、「腸の蠕動運動を促進する」、「腸粘膜のエネルギー源となる」、「ミネラルの吸収を促進する」など、様々な働きに関わっています。3)

中鎖脂肪酸は、MCT(MediumChainTriglyceride)とも呼ばれ、食品ではココナッツオイルに多く含まれています。すぐに体内へ吸収されることからエネルギーになりやすいという特徴を持っています。最近ではスーパー等でMCTオイルを手軽に購入できるようになりました。

長鎖脂肪酸は私たちが普段使用するサラダ油やバター、ごま油など身近な食品に多く含まれています。

腸内環境の改善に役立つ

人の腸内には多種多様な菌が生息しており、花畑のように見えることから腸内フローラとも呼ばれています。腸内フローラのバランスが崩れることで便秘や下痢、肌荒れやアレルギーを引き起こす可能性があります。短鎖脂肪酸はこれらの腸内細菌から産生され、腸内環境を良好に保つためにも働いています。例えば、ビフィズス菌は食物繊維やオリゴ糖といったプレバイオティクスを利用することで、短鎖脂肪酸である乳酸と酢酸を産生し、腐敗菌の生育を抑制、腸内環境を改善することが知られています。4)

短鎖脂肪酸は臭い?

人の身体にとって有用な働きをする短鎖脂肪酸ですが、一部は不快なにおいがする成分でもあります。短鎖脂肪酸の一種である酪酸(butyricacid)は、銀杏の熟したにおい、または足の裏のにおいの原因になる成分とされています。また、私たちが食品として摂取するお酢にも含まれる酢酸(aceticacid)は酸っぱいにおいがしますが、これは汗のにおいとしても発生する成分です。腸内で産生すれば有用な短鎖脂肪酸ですが、身体の外で発生することで悪臭の原因にもなります。

【参考】
1)厚生労働省e-ヘルスネットサイト
2)Bruce Fife.(2013).Bruce Fife.(2013).The Coconut Oil Miracle.Avery.(ブルース・ファイフ三木直子(2014).ココナッツオイル健康法WAVE出版)
3)太陽化学株式会社サイト
4)南浩二,田中晋二,高橋計行他(1999).透析患者における腸内細菌叢の改善と腐敗産物の産生抑制に対する腸溶性ビフィズス菌製剤の臨床効果.透析会誌,32(5),349-356.

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