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不整脈予防 ICD 植え込み手術に成功

十勝毎日新聞 平成14年10月22日

”突然死”の危険を軽減 国立療養所帯広病院で道東初

国立療養所帯広病院(帯広市西18北2、草島勝之院長)がこのほど、致死性の不整脈を予防するICD(植え込み型除細動器)の胸部植え込み手術を道東で初めて行い、成功した。不整脈で一時心停止に陥り、この手術を受けた吉澤照さん(77)=音更町=は順調に回復している。日本ではまだ一般的ではないが、心筋症などで心臓の収縮が悪く“突然死”の可能性が高い患者の危険性を軽減する治療法として、注目を集めている。(松村智裕)

ICDは脈の遅くなった心臓に電気刺激を与えるペースメーカーの機能を備えるほか、1分間で188回以上の脈が10秒続く頻拍性不整脈を感知すると、心臓に電気刺激を与え、正常な拍動を呼び戻す役割を果たす。同帯広病院の尾畑弘美循環器内科医長は「自宅で致死性不整脈によって意識を失うと、迅速な対応ができずに助からない可能性が高い」という。

ICD手術の指定機関は道内で9つあり、同病院は2000年12月に道東唯一の指定機関として認可を受けている。

同病院によると、拡張型心筋症を患っていた吉澤さんは今年8月下旬、脳こうそくで帯広脳神経外科病院に入院。突然の不整脈で心停止し、3回の電気ショックで息を吹き返した。集中治療室にいたため、一命は取り留めたが、尾畑医長がICD植え込み手術を勧め、吉澤さんが承諾した。

9月12日に手術し、今月21日に退院。再び同脳神経外科病院に戻ってリハビリに励んでいる。その後ICDは作動していない。「おかげさまでね」とゆっくり話す吉澤さんに、妻の君子さん(73)は「命拾いしたんだと思います」と笑顔をみせている。

ICDを植え込む場合は身体障害者として認定され、機器の費用約480万円に入院・手術費を含めた600万円ほどの費用負担は必要ない。

米国はICDの手術件数が2000年の1年間で約6万件という先進地。先日、チェイニー副大統領がICD手術を行い話題となった。日本でも2000年で900人弱、2001年で約1100人と手術件数は年々増加している。

尾畑医長は「日本では積極的にICDを取り付けるまでに至っていませんが、重症の心臓病で突然死の不安を抱えている人には非常に有力な治療法になり得る」と話している。

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