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国立療養所帯広病院 心筋焼灼術を実施

十勝毎日新聞 平成11年06月15日

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【社会部=高久佳也】国立療養所帯広病院(草島勝之院長)が今月、重傷の頻拍性不整脈に対する新しい治療法を実施、成功した。電極のついたカテーテル(細管)を心臓まで通し、内部から不整脈の原因となる心筋組織を突き止め、電気メスで破壊する方法。道内では5年ほど前から札幌や旭川の大学病院が行っているが、道東で実施したのは同病院が初めて。「根治治療として有効な方法で、今後適用者が増えていくだろう」(尾畑弘美内科医長)と話している。

同病院が実施したのは「カテーテル・アブレーション=心筋焼灼(しょうしゃく)術」と呼ばれる治療法。今月五日に四十台男性と五十代女性の二人にこの手術を行い、いずれも経過は順調で、今週までに二人とも退院した。

二人は心臓を動かすための電気信号を伝導する組織に異常がある「WPW症候群」の患者で、脈拍数が突然二百以上に上がるなどの発作に悩まされていた。一人は突然死の可能性、もう一人は週二、三回の発作があり、ともに通院が欠かせない状態だった。これまでは投薬治療で対応してきたが、根治治療として、「カテーテル・アブレーション」を選択した。

同病院では、この治療法を実施するに当たり、尾畑医長と専門外来を担当している満岡孝雄医師(満岡内科・循環器クリニック院長)が中心となって準備を進め、心臓血管外科もバックアップ体制をとった。また、百あまりの症例を手掛けている旭川医大病院第一内科から川村祐一郎医師の派遣も受けた。

手術自体は、太ももの付け根や肩から電極のついたカテーテルを挿入し、右心房と右心室のあいだにある副伝導路と呼ばれる不整脈の原因組織の場所を特定、直径三ミリほどの範囲だけ約六〇度ほどに熱して焼き切る。「動いている心臓内で場所を正確に特定するのが難しいが、焼き切った瞬間に心電図が変わるほど劇的な効果がある。再発率は三十人に一人程度で、しかも、手術の翌日には分かる」と尾畑医長。

同病院では今後も半年に一回ほどのペースで、この治療法を行っていく予定。「帯広・十勝でも手術が受けられることになり、患者さんの負担は大きく軽減するはず」と草島院長は話している。

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