1. HOME
  2. 論文紹介
  3. 徐拍性不整脈に対する心臓ペースメーカー植え込み治療の適応とその効果

論文紹介LUCUBRATIONS

徐拍性不整脈に対する心臓ペースメーカー植え込み治療の適応とその効果
Indication and effects of permanent cardiac pacemaker implantation for bradyarrhythmias

MedicalWay

特集/心臓ペースメーカー
徐拍性不整脈に対する心臓ペースメーカー植え込み治療の適応とその効果
Indication and effects of permanent cardiac pacemaker implantation for bradyarrhythmias
満岡孝雄、橋場邦武
病態生理 8(2): 115-123, 1989.

人工心臓ペースメーカー(PM)は、電気刺激発生装置であるペースメーカー本体と心筋刺激用に電極を先端につけたカテーテル (カテーテル電極)より毒成され、人工的な電気刺激により心臓の調律をコントロールする装置である。カテーテル電極は経静脈的に体内に挿入され、右心房あるいは右心室の刺激に用いられる。

PM治療には、一時的ペーシング法と恒久的治療法であるPM植え込み治療とがある。一時的ペーシング法は一時的または緊急治療に用いられるもので、ペースメーカー本体は体外におき、1週間から10日程度の連続ペーシングが可能である。長期のペーシングが必要な場合には、長い電池寿命をもったペースメーカー本体を、多くは前胸部皮下に植え込むをPM植え込み治療が行われる。PM植え込み治療は主に徐拍性不整脈の治療に用いられるが、頻脈性不整脈の治療に用いられる場合もある。後者については本特集の他の箇所でとりあげられるため、ここでは徐拍性不整脈に対するPM植え込み治療について述べる。

ACCおよびAHAのPM植え込みに対するガイドライン

American College of Cardiology (ACC)およびAmerican Heart Association (AHA)の米国の心臓病に関する2大学会の共同委員会は、1984年5月にPM植え込みについてのガイドラインを発表した。その背景には米国におけるPM植え込み例の急速な増加による経済的問題や、適応がないと思われる症例への植え込み増加などの問題もあったものと思われる。その適応は表1のように第1級から第3級までの段階的分類で示されている。これらのガイドラインは、実際的で概ね妥当なものであり、本邦におけるガイドラインとしても有用と思われる。これらのガイドラインについては原著1)および橋場ら2)の綜説に詳しいが、本稿ではこれらのガイドラインに触れながらPM植え込み適応について述べる。

表1. PM植え込み適応の段階的分類—ACC/AHAのガイドラインー

第I級(Class I):PM植え込みを行なうべき適応であることが広く一般に同意されているもの。
第II級(Class II):PM植え込みがしばしば行われるが、その必要性に関しては意見がわかれるもの。
第III級(Class III):PMが不必要ということで一致しているもの(非適応)。

これらのガイドラインの中では、『症状のある徐脈』(symptomatic bradycardia)という言葉がPM植え込み適応として繰り返し使用されている。もし徐脈以外の原因で症状が出現している症例に、仮にPM植え込みがなされた場合は、症状が消失しないばかりか、患者に大きな負担を強いることになる。したがって、「その症状」が「その徐脈」によって生じているという確認が非常に重要であることをガイドラインは示している。徐脈によって生じる「その症状」を表2に示す。

表2. 「症状のある徐脈」(symptomatic bradycardia)による症状—ACC/AHAのガイドラインー

(1)一過性脳虚血の症状:一過性のめまい、ふらふら感、失神感(near syncope)、明白な失神(syncope)
(2)一般症状:著明な運動能力低下と明らかなうっ血性心不全

PM植え込み治療の目的と適応決定

徐拍性不整脈の代表的なものは房室ブロック(atrioventricular block)と洞不全症候群(sick sinus syndrome)であるが、このような患者におけるPM治療の目的は、

  1. 急死または突然死の予防。
  2. 脳虚血による失神発作またはめまい発作の予防。
  3. 心拍出量減少による活動能力低下の改善。
  4. 種々の症状および合併症により制約された生活内容(quality of life)の改善。

などである。PMの当初の目的は完全房室ブロックに伴うAdams-Stokes発作の予防という、1)が主であったが、その後のPMの進歩に伴い、現在では2)~4)に治療目的の重点が置かれるようになった。

このようなPM治療の目的の変化に伴い、PM植え込み適応の決定因子は数多く複雑になってきているが、基本的には、

  1. 疾患の重症度。
  2. PMによって生じる利点。
  3. PM治療に伴う種々の負担。

などを総合的に判断しPM植え込み適応を決定する。この中で1)の徐拍性不整脈の重症度の決定には、一般に表3に掲げた諸因子を検討し総合的に判断する。表3(4)の心電図所見は、不整脈の出現は時間によって変動が大きいため、必ずしも最も重症なものをとらえているとは限らない。このことはしばしば重症度の判断を困難にする。また(2)(3)の発作性あるいは一般症状が徐拍性不整脈によることを確認することは先にも触れたが非常に重要である。通常は(1)~(4)により主に重症度は決定され、(5)は補助的に用いられる。(6)はかなり客観的方法ではあるが、観血的方法であり、また、この所見と臨床的重症度との不一致をみることも必ずしも少なくない、などの制約もある。われわれは以前よりPM植え込みの実際にあたって、表3の諸因子のほかに、患者個人の年齢、性、職業、家庭環境、生活環境、患者の性格、生活態度ないし方針などを十分に考慮してきたが3)4)、ACC/AHAのガイドラインでもPM植え込みに当たって考慮すべき因子として表4のような8項目をあげている。とくにPMの絶対的適応以外の場合には、これらの諸項目を十分に考慮する必要がある。

表3. 徐拍性不整脈の重症度を決定する諸因子—PM植え込み適応にあたってー

(1)生命に対する危険
(2)一過性の高度脳虚血による発作性症状
(3)低心拍出または増加不十分による一般症状
(4)心電図所見:日常的心電図記録、モニターによる監視、Holter心電図による長時間記録
(5)負荷試験:運動、薬物など
(6)臨床心臓電気生理学的検査法:His束電位を含む心腔内電位記録と診断的ペーシング法の併用

表4. PM植え込み決定に当たって考慮すべき因子—ACC/AHAのガイドライン(*は著者らが追加)—

(1)患者の全体的な身体的・精神的状況。これには生命の予後を限定するような疾患(たとえば、手術適応のない悪性腫瘍、高度の進行神経系疾患などであろう)の合併の有無を含む。
(2)徐脈によって悪影響を受ける可能性のある心疾患の合併。
(3)自動車の運転についての患者の希望。
(4)医療機関から遠隔地の居住者。広範囲に旅行する人、重大な症状が出た時に医療機関への連絡ができなくなる可能性のある独居者なども含まれる。
(5)補充調律を抑制し、または、房室ブロックを促進する可能性のある薬剤服用の必要性。
(6)補充調律の心拍数が少ない場合。
(7)脳血管障害で、脳血液の急激な減少によって脳卒中を生じる可能性のある場合。
(8)患者や家族の希望。
(9)短時間の意識消失あるいは意識レベルの低下が重大な結果を招来するような高所、火気、高電圧、大きな機械、などの環境で仕事をする人。

PM機種の選択

ペーシングの様式

ペーシング様式については本特集の別の箇所で詳述されるのでここでは簡単に触れる。PMには固定レート型(fixed rate type)とディマンド型(demand type)がある。前者は心臓の自発収縮と関係なく一定のリズムで心臓を刺激するが、後者は心臓の自発収縮を認めた場合は、あらかじめセットした一定時間だけ次の刺激発生を遅らせるようになっている。固定レート型は自己調律とPMリズムとが競合し、自発収縮のT波上にPM刺激がおちた場合、心室細動などを誘発する可能性もあるため通常は用いられない。

PMの進歩に伴い、従来からの心室ペーシングのほかに、心房ペーシング、心房同期型心室ペーシング、心房心室順次ペーシングなどのより生理的なペーシングが用いられている。このような複雑となったペーシング様式を簡便に表示する方法として、表5に示すような国際コード(3-letter code)が一般に用いられている。表6にはこれらの国際コードを用いてペーシング様式を示し、簡単に説明を加えた。

表5. ペーシング様式表示のための国際コード(3-letter code)*

(1) chamber paced(ペーシング部位)
V=ventricle(心室)
A=atrium(心房)
D=double(心房と心室の両方)
(2) chamber sensed(センシング部位)
V=ventricle(心室)
A=atrium(心房)
D=double(心房と心室の両方)
O=none(センシング機構なし)
(3) mode of response(センシング後のペーシングの反応様式)
T=triggered(同期型)**
I=inhibited(抑制型)
D=double(同期型と抑制型の両方)
(例)atrial inhibited and ventricular triggered = 心房抑制、心室同期型
O=none

*VVI型PMという場合、VVIの3つの大文字は上記の(1) (2) (3)を順に意味している。すなわち、ventricular pacing, ventricular sensing and inhibited modeということになる。
**inhibited modeとtriggered modeの違いを、AAIとAATで説明すると、両者ともatrial pacing and atrial sensingであるが、前者は自己のP波を感知するとPMからの刺激発生を抑制するのに対して、後者はPMからの刺激を心房不応期内におとす。

表6. 国際コードで表示したペーシング様式

(1)VVI :ventricular pacing、 ventricular sensing and inhibited mode (ventricular inhibited)
従来のディマンド型心室ペーシング
(2)VAT :ventricular pacing, atrial sensing and triggered mode (atrial synchronous)
心房同期型心室ペーシング。自発のP波を感知すると、一定の間隔の後に心室をペーシングする。自発のQRS波は感知されないので、心室期外収縮が出現するとそのT波上にPMの刺激がおちる可能性がある。
(3)VDD :VATとVVIを組み合わせた様式である。心室期外収縮が出現するとPMの刺激は抑制される。
(4)AAI :atrial pacing, atrial sensing and inhibited mode
ディマンド型の心房ペーシング
(5)DVI :atrial and ventricular pacing, ventricular sensing and inhibited mode (A-V sequential)
心房心室順次ペーシング、心房と心室を一定の間隔をもって順次ペーシングする。自発のQRS波を感知すると、PMの刺激は抑制される。
(6)DDD :VATとDVIを組み合わせた様式である。Fully automatic pacemakerともよばれる

機種の選択

先にも述べたようにPM植え込み治療の目的は、急死の予防のみではなくquality of lifeの改善にも重点がおかれるようになってきた。このためにはPM植え込み適応の判断と同時に、どのようなPM機種を選択するか個々の症例により検討することが重要である。これを決定するためには個々の症例の心機能および電気生理学的性状を評価することが必要である。

機種選択にあたっては従来から用いられているアマンド型心室ペースメーカー(VVI型)にするか、AAI、DDD、DVI型などのいわゆる生理的ペースメーカー(physiological pacemaker)にするかは問題となるところであるが、生理的ペースメーカーの利点としては、

  1. 心房—心室順次収縮を保ち運動に伴い心拍数が増加する。
  2. 心房ペーシングは心房性頻拍性不整脈を抑制し、結果として塞栓症の発生を予防できる可能性が考えられる。
  3. 後に詳述するがVVI型PMで認められるペースメーカー症候群(pacemaker syndrome)5)6)7)を避けることができる。

などがあげることができる。

拡張期の心室充満は、心房心室間の圧差、心室拡張に伴う心房からの血液吸引、心房収縮などによって行われ、心拍出量に密接に関連している。正常では心房収縮によって心拍出量の増加に果たす心房収縮の役割は重要である。この心房収縮が心室収縮と同時あるいは直後に生じると、房室弁が閉鎖しているために心房収縮によって起こった血流は大静脈や肺静脈に逆流することになる8)9)10)

このように心室収縮と心房収縮の不適当なタイミングは、時に著明な血行動態の悪化を招き、心拍出量の減少により血圧低下、めまい、俗怠感、心不全の悪化などの症状を呈し、いわゆるVVI型に伴うペースメーカー症候群(pacemaker syndrome)5)6)7)をおこすことになる。ぺースメーカー症候群は房室結節に室房方向にも伝導(室房伝導)を有する症例の約1/4に認められるとされる11)。したがって、PM植え込み前には室房伝導の有無を臨床心臓電気生理学的検査 (EPS)にて確認することが重要で、もし室房伝導が存在するなら生理的ペースメーカーを選択するのがよい。

また、室房伝導がない症例においてもVVI型に伴うペースメーカー症候群はしばしば認められる。房室ブロック例では、洞調律によるP波と心室ぺーシングによるQRS波の時間的相互関係が種々に変化する。PQ時間が100~200msecであれば、心房収縮は心拍出量を増加させる方向に寄与するし、PQ時間が0~-100msecであれば先に述べたような室房伝導が存在する時と同様の血行動態となり、心拍出量は減少する。このようにPQ時間の変化により血圧も変動し、それが著しい場合はペースメーカー症候群の症状を呈することになる。

洞不全症候群でも、洞調律から心室ペーシングに変わる時、心拍出量減少に伴い血圧が低下し、ペースメーカー症候群につながることがある。したがって、EPS時に動脈圧を直接測定しながら、VVI型と生理的ペーシングの血圧に与える影響を比較することは、機種の選択の上で参考になる。

DDD、VDD、VAT型などの心房電位を感知する型のPMでは、P波に同期して心室ペーシングができるが、欠点として洞性P波と同様に室房伝導によって生じた逆行性P波も感知する。室房伝導を有する症例にこのようなPMを植え込んだ場合、心室性期外収縮を契機に逆行性P波が生じ、PMはこれを感知して心室を刺激する。この心室刺激により再び逆行性P波が生じれば、持続的に逆行性P波感知—心室刺激のループが形成され、いわゆるペースメーカー起因頻拍(pacemaker-mediated tachycardia)を起こしてくる可能性がある。また、洞不全症候群に生理的ペースメーカーを植え込む場合、AAI型にするかDDD型にするかは室房伝導能によるためEPSによる検討が必要である。

以上のようにPM植え込み前には必ずEPSを行い、房室結節伝導能、室房伝導の有無、時には動脈圧を直接モニターし、各ペーシング様式での血圧の変化をみることなどが必要である。

ACC/AHAのガイドラインにもPM機種の選択についての基準が述べられている。

PM植え込み適応

房室ブロック

1)分類

房室ブロックでは房室間の興奮伝導が種々の程度に障害されて生じるもので、心電図上第1度、第2度、および第3度(完全房室ブロック)に分類される。第1度はPR間隔が0.21秒以上に延長しその後にQRSが脱落するWenckebach型(Mobitz I型)と、PRに変動がなく突然QRSが脱落するMobitz II型の2つに分けられ、第3度は房室伝導が完全に途脱し、PとQRSが無関係に出現する場合である。第2度の房室ブロックで2:1房室伝導比以上にQRSが脱落する場合、たとえば3:1、4:1などをとくに高度房室ブロックという。この場合には一般に補充収縮が出現することが多い。

2)ブロックの局在部位

房室ブロックの局在部位は、臨床心臓電気生理学的検査法によりHis束心電図を記録し、心房(A)、His束(H)、心室(V)の各興奮波をとらえることにより知ることができる。すなわちHis束上部の房室結節またはその接合部付近にブロックがあればA-Hブロック、His束内にあればH-H′の2つの振れを認め、His束内ブロック、His束以下にあれば、H-Vブロックである。

3)PM植え込み適応

完全または高度房室ブロックやMobitz II型第2度ブロックでは、Adams-Stokes発作または瞬間的な意識消失や眼前暗黒感、めまい発作などがあれば PM植え込みの適応である。また、このような脳虚血症状がなくても、徐拍による心拍出量の低下で心不全、あるいは日常活動の制限が認められる場合も適応である。これに対して、完全房室ブロックがあっても数年間無症状で安定している場合は、必ずしもPM植え込み適応は考えない。このような症例については表4に示した諸項目を考慮し適応を決定する。

ACC/AHAのガイドラインに示された房室ブロックに対するPM植え込み適応を表7に示した。これらの基準は妥当なもので、本邦の専門家も概ね同意見と思われる。第I級適応は主に表2に示すような症状の有無により決定される。II級適応に関しては表4に示した諸項目を加味して個々に決定されるべきである。EPSによるHis束心電図が第I級適応に関して決定的な役割を果たすことは少ないが、第II級適応に関しては判断の助けとなる症例もある。

表7. 房室ブロックに対するPM植え込み適応—ACC/AHAのガイドラインー

第I級適応
 A. 完全房室ブロックに以下の1~5のいずれかの合併を認めた場合
1. 『症状ある徐脈』
2. 心不全
3. 心室性不整脈などのため補充調律を抑制するような薬剤の使用が必要
4. 3秒以上の心停止の記録。補充調律が40/分以下
5. 意識低下状態が一時的ペーシングで改善
 B. 第2度房室ブロックで『症状ある徐脈』の場合
 C. 心房細動あるいは粗動に完全(または高度)房室ブロックを伴い、徐脈と上述の1~5の合併がある場合
第II級適応
 A. 完全房室ブロックで無症状または心拍数40/分以上
 B. 無症状のMobitz Ⅱ型第2度房室ブロック
 C. 無症状のMobitz Ⅰ型第2度房室ブロックでHis束内または以下のブロック
第III級(非適応)
 A. 第1度房室ブロック
 B. 無症状のMobitz I型第2度房室ブロックでHis束より上部のブロック

二枝および三枝ブロック(慢性)

1)定義。

刺激伝導系はヒス束から右脚、左脚前枝、左脚後枝の三枝に分かれているのが普通である。左脚前枝あるいは左脚後枝のいずれかの一枝がブロックされた時は分枝ブロックとよぶ、二枝ブロックは右脚+左脚前枝、右脚+左脚後枝などのように二枝がブロックされた場合であり、三枝ブロックは三枝ともにブロックされた場合であるが、完全に三枝がブロックされれば完全房室ブロックであり、通常は二枝ブロックに残りの一枝が不完全にブロックされた場合をさす。

2)臨床的意味

二枝および三枝ブロックの臨床的意味は、

  1. ①将来に完全房室ブロックに進展する可能性。
  2. ②間欠性に完全房室ブロックを生じ、そのために症状を呈している可能性。

の2つが考えられる。前者については必ずしもその可能性は大きくないとされているが12)、定期的な経過観察が必要である。後者については、房室ブロックははしばしば変動するため、Adams-Stokes発作のある例でも、非発作時の心電図では房室ブロックを認めないこともあり、このような場合に心電図に二枝ブロックが認められるならば、その失神発作は間欠性の完全房室ブロックによる可能性が強く示唆される。

PM植え込み適応。

ACC/AHAのガイドラインによる二枝および三枝ブロックに対するPM植え込み適応を表8に示す。症状のある間欠性完全房室ブロックが認められた場合は第I級適応である。第II級適応の中には心房ペーシングを含む臨床心臓電気生理学的検査法によって決定される場合もある。第II級適応に関しては表4に示した諸項目を参考に個々に適応を決定することになる。

表8. 二枝または三枝ブロック(慢性)に対するPM植え込み適応—ACC/AHAのガイドラインー

第I級適応
 A. 二枝ブロックで、「症状ある徐脈」として間欠性完全房室ブロックを示すもの
 B. 二枝ブロックで間欠性のMobitz Ⅱ型第2度房室ブロックがあり、房室ブロックによると判断される症状のあるもの
第II級適応
 A. 二枝または三枝ブロックで、間欠性Mobitz Ⅱ型第2度房室ブロックを伴うが無症状のもの
 B. 二枝または三枝ブロックで失神発作があり、それが完全房室ブロックによることの証明はないが、他の可能な原因も同定できないもの
 C. 心房ペーシングによりHis束以下のブロックを生じるもの
第III級(非適応)
 A. 分枝ブロックで房室ブロックも症状もないもの
 B. 分枝ブロックで第1度房室ブロックを伴うが無症状のもの

洞不全症候群

洞不全症候群(sick sinus syndrome)は洞結節およびその周辺の障害により、慢性持続性の高度洞性徐拍(毎分50以下)、一過性の洞停止あるいは洞房ブロックなどの徐拍性不整脈を呈するもので、洞結節自動能の低下や洞房伝導障害により生じる。徐拍のほかに、発作性または一過性の心房細動、心房粗動、上室性頻拍などの頻拍性不整脈を伴うことも少なくなく、これらは徐脈頻脈症候群として洞不全症候群に含まれる。

1)症状。

一過性の洞停止や洞房ブロックによる心停止により一過性脳虚血を生じ、これにより失神、失神に近い眼前暗黒感、めまい、ふらつきなどをおこす。高度の徐拍により心拍出量が低下し、これにより全身倦怠感、易疲労感、活動力低下、気力や集中力の低下、明らかな心不全症状などが出現する。徐脈頻脈症候群では、頻拍による動悸と頻拍停止時の長い一過性の心停止によりめまい発作や失神発作が特徴的である。

PM植え込み適応。

失神発作やめまい発作が頻発する症例はPM植え込み適応である。徐脈頻脈症候群では、脳虚血症状が明らかでなくても、頻拍発作が頻発し動悸が強ければ、PM植え込み適応となる。それは頻拍発作を抑制する抗不整脈薬は、洞性徐拍を助長し、補充調律を抑制するので、これらの薬剤を安全に投与するためにはPM植え込みが必要である。

またPM植え込み治療により、これらの頻拍発作が減少あるいは消失する場合もある。全身倦怠感、易疲労性、活動力低下、気力や集中力の低下などの症状を訴える場合は、本症候群が高齢者に多いこともあり、これらの症状が徐脈による心拍出量の減少によって出現しているのかどうかが必ずしも明確でないことも少なくない。このような場合は、トレッドミルによる心拍数増加の程度やHolter心電図による24時間総心拍数などを参考にし、24時間総心拍数が7万以下の例ではPM植え込みの適応とわれわれは考えている13)

ACC/AHAのガイドラインにおける洞不全症候群に対するPM植え込み適応を表9に示す。これらのガイドラインでは、洞結節回復時間やHolter心電図で記録された最長PR間隔などの数値をPM植え込み適応の参考にしていない。本症候群の重症度は洞結節回復時時間、あるいは頻回に記録した心電図の中での最長P-R間隔などと必ずしも一致しないため、これらのガイドラインの参考にされていないことも理解される。われわれは洞結節回復時間や最長P-R間隔が3〜5秒以上であれば、無症状の症例でも表4に示した諸項目を考慮しPM植え込みの適応を検討すべきと考えている。

表9. 洞不全症候群に対するPM植え込適応—ACC/AHAのガイドラインー

第I級適応
 A. 洞機能不全があり、実際に「症状ある徐脈」が記録されているもの。長期薬剤投与の関与によるものでも、それに代わり得る方法のないものは含まれる
第II級適応
 A. 洞機能不全で40/分以下の心拍数を示し、徐脈で説明される症状を有するが、その症状と実際の徐脈との明白な関係がまだ記録されていないもの。自然に生じているもの。また、必要な薬剤治療の結果であるものも含む
第III級(非適応)
 A. 洞機能不全ではあるが無症状の患者
 B. 洞機能不全があり、徐脈による可能性のある症状を有するが、その症状が徐脈と関係のないことが記録で確認されているもの

PM植え込み治療の効果

房室ブロック

本邦においては1980年代の初めより生理的ペースメーカーの使用がはじまったが、それ以前は心室ペースメーカー(おもにVVI型)の植え込みが行われてきた。このため1980年以前のPM植え込み治療の効果はVVI型による効果である。房室ブロックに対するVVI型PM植え込み治療の効果については、橋場の報告3)14)に詳しく示されている。要約すると、

  1. Adams-Stokes発作はVVI型PM治療によってほとんど消失するのに対して、心不全の改善は必ずしも十分ではない。
  2. このため、VVI型PM植え込み後の生存率も、Adams-Stokes発作を主とする症例では非常に良好であるのに対して、心不全群ではそれよりも明らかに低率である。
  3. 心室ペースメーカー治療によっても日常生活の著しい改善が認められる。

などである。このようにVVI型PM治療による生命予後と臨床症状の改善は明らかである。

生理的ペースメーカーがVVI型PMに比較し血行動態的に優れていることは多くの報告15)の指摘するところであるが、この優れた血行動態上の利点は患者のquality of lifeのみでなく長期予後の改善にもむすびついている。

Perrinsら16)はDDD型PM植え込みを行った房室ブロックの13例について、VDD型とVVI型によるペーシングを各々1カ月行い、この間の動悸、息切れなどの自覚症状、自転車エルゴメーターによる運動耐容能などについて両者を比較した。その結果、VDD型ではVVI型に比較して自覚的にも運動耐容能の面でも優れていることを報告している。

狭心症を有する房室ブロック例においてはDDD型は運動耐容能の改善に伴い狭心発作を頻発させる可能性があるために、むしろVVI型がよいとの考え方もある。Kennyら17)はPerrinsら16)と同様の方法を用いて、DDD型PMを植え込んだ狭心症を有する10例について、VVI型、上限レート150/分のDDD型、上限レート100/分のDDD型3つのペーシング様式を比較した。その結果、上限レート100/分のDDD型では狭心発作もなく、運動耐容能の改善も良好であり、狭心症を有する患者でも上限レートを低く設定すれば、DDD型で狭心発作を抑制しながら運動耐容能を改善することができると報告した。

Alpertら18)は房室ブロック症例でVVI型PMを植え込んだ132例とDVIあるいはDDD型PMを植え込んだ48例の予後を比較した。結果はPM植え込み前に心不全の既往のある症例においては、5年予想生存率はDVIまたはDDD型PM例がVVI型PM例に比べ有意に高かったが(DVIまたはDDD型対VVI型=69%対47%)、心不全の既往のない症例においては、両者に有意の差は認められなかった(DVIまたはDDD型対VVI型=70%対73%)と報告している。

以上の報告からは、心不全の既往、左室機能低下、活動的な日常生活が可能な身体的・精神的状況などを有している症例やペースメーカー症候群の可能性のある症例においては生理的ペースメーカーの治療効果が期待される。

洞不全症候群

洞不全症候群に対するVVI型PM治療の効果は、橋場3)14)や木谷ら19)が報告しているが、それによれば、

  1. 本症候群による症状のうちで失神発作、眼前暗黒感、めまい感などに対するVVI型PM治療効果は非常に顕著で、ほとんどの場合消失し、生活状況も著しく改善される。
  2. 心不全症状のある例ではその半数程度に改善を認める。

など明らかである。生命的予後については、Shawら20)の報告によれば、本症候群ではVVI型PM治療によって脳虚血症状は消失するが、その生存率はPM非植え込み例と変わらないとされており、われわれも同様な結果を得ている21)

本症候群の予後を左右する重要な因子は塞栓症、とくに脳梗塞の発生である。われわれは22)徐脈頻脈症候群の84例を平均6.3年にわたり観察した。この間における塞栓症の発生は15例(17.9%)、延べ19回で、このうち脳梗塞は17回であった。慢性心房細動への固定率は心電図が定期的に記録された77例のうちの32例(41.6%)であった。

われわれは1983年より徐脈頻脈症候群の症例には原則的に発作予防を期待して抗血小板剤の投与を行ってきたが、図1には抗血小板療法とPM治療の有無による塞栓症の発生率を示した。抗血小板療法を行っていないVVI型植え込み例では38.1%とPM非植え込み例と有意の差はなく、一方、生理的PM植え込み例では抗血小板療法の有無にかかわらず1例の発生もみていない。以上の結果は塞栓症の予防に生理的PMと抗血小板療法が効果的であることを示唆する。

図1

図1 図は徐脈頻脈症候群84例について塞栓症の発生を抗血小板療法の有無とPM治療の有無により検討したものである。抗血小板療法を途中で始めた17例は未投与期間、投与期間に分け、抗血小板療法(+)群と(-)群にそれぞれ入っている。抗血小板療法(+)群が54例、抗血小板療法(-)群が47例で、両群をさらに生理的PM、VVI型、PM(-)の各群に分類した。塞栓症の発生率は、抗血小板療法(-)+VVI型で38.1%、抗血小板療法(-)+PM(-)で26.6%といずれも高く、両者には有意の差は認めなかった。一方、生理的PM群では抗血小板療法の有無にかかわらず、現在までの塞栓症の発生をみていない。
以上よりVVI型PMは少なくとも塞栓症の発生には予防的には働いているとはいえない。一方、生理的PMでは塞栓症の発生は少なそうであるが、症例数、観察期間がVVI型に比較して十分でないために今後さらに検討を要する。

最近、SuttonとKennyは本症候群の予後について広範囲にわたる文献的考察を行い23)、本症候群における房室ブロックの出現率は34カ月で8.4%、2年半における慢性心房細動への固定率は、AAI型(3.9%)よりVVI型(22.3%)で高く、塞栓症の発生頻度もVVI型で高い(AAI対VVI=1.6%対13%)ことを報告し、これらの結果はAAI型の優れた血行動態によるものと考えている。また、生命的予後がAAI型より改善するかどうかについては現時点では明らかではないとしている。

Rosenqvistら24)は本症候群でAAI型を植え込んだ89例とVVI型を植え込んだ79例を平均2年にわたり観察し、慢性心房細動への固定、心不全の出現などの頻度はVVI型において有意に高いことを報告している(慢性心房細動:VVI対AAI=30%対4%、心不全:VVI対AAI=23%対7%)。また、彼ら25)は2年後に同じ症例を対象として再び検討し、上記の傾向はかわらないこと、死亡率はVVIで高いことなどを報告した(死亡率:VVI対AAI=23%対8%)。

最近、Alpertら26)は本症候群のためVVI型PMを植え込んだ79例とDVIあるいはDDD型PMを植え込んだ79例とあるいはDDD型PMを植え込んだ49例の予後を比較した。上述した房室ブロックと同様に心不全の既往のある例では、VVI型PM植え込み例よりDVIまたはDDD型PM植え込み例において5年生存率は高く、心不全の既往のない例では両者に有意の差を認めなかったと報告している。

以上の報告より判断すると、VVI型PMに比較して生理的ペースメーカーでは、慢性心房細動への固定率や塞栓症の発生頻度などは低く、心不全の既往のある例においては生命的予後の改善も認められると考えられる。

Mitsuokaら27)は、DDD型PMの植え込みを行った本症候群8例について、DDD型とVVI型によるペーシングを各々1カ月行い、この間の自覚症状、自転車エルゴメーターによる運動耐容能などを比較した。その結果、運動耐容能は両者で変わらなかったが、VVI型では動悸、general well beingなどの自覚症状の悪化が有意に認められ、DDD型が優れていたと報告した。また、VVI型での悪化は房室伝導の存在と関係していることを示唆している。この結果はPMの治療効果の判定のためには、自覚症状などを含めたquality of lifeのより客観的な評価が重要であることを示唆している。

われわれの教室でも28)、身体的活動能、情緒的側面、知的活動、社会参加度、生活満足度、well-being感覚の各項目について質問をもうけ、その回答内容を点数化してquality of lifeの評価を試みている。

以上、VVI型PMに対する生理的ペースメーカーの優れた効果について主に述べてきたが、生理的ペースメーカー出現以前、VVI型PMによって多くの症例でほぼ満足できる結果を得てきたことも大きな事実である。

木谷ら29)はDDD型PMを植え込んだ房室伝導のない11例について、DDDまたはDVI型とVVI型とで心拍出量、血圧などを、ペーシング様式変更直後および2週間後にTilting負荷前後で比較した。その結果、VVI型に変更した直後には心拍出量や血圧は低下し、一部の症例ではめまい、息切れ、動悸などの症状が認められるが、2週間後にはVVI型のままでも心拍出量は増加し、上記の自覚症状も軽快する傾向を認めた。このことからVVI型でも長期ペーシング中に良好な血行動態を維持しようとする循環調節が働いていることを示唆している。

従来のVVI型PMでもほぼ満足できるようなペーシング結果を得てきた理由の一つには、このような長期ペーシング中の循環調節が関与している可能性がある。

文献

  1. Guidelines for permanent cardiac pacemaker implantation, May 1984. A report of the joint American Collage of Cardiology/American Heart Association task force on assessment of cardiovascular procedures (Subcomittee on pacemaker implantation). JACC 4: 434, 1984/Circulation 70: 331A, 1984.
  2. 橋場邦武, 木谷文博: 徐拍性不整脈に対する人工心臓ペースメーカー植え込み治療の適応. 心臓ペーシング 1: 176, 1985.
  3. 橋場邦武: 人工心臓ぺースメーカーの適応と長期成績. 日内会誌 67: 54, 1978.
  4. 橋場邦武: 内科診療の進歩—徐拍性不整脈, 洞不全症候群および房室ブロックを中心に. 日内会誌 69: 1064, 1980.
  5. Mitsui, T., Hori, M., Suma, K., Wanibuchi, Y., Saigusa, M.: The "pacemaking syndrome" In: Jacob JE Proceedings of The Eighth Annual International Conference on Medical and Biological Engineering. Chicago: Association for the Advancement for Medical Instrumentation, 1969: 29-33.
  6. Ausubel, K, Furman, S.: The pacemaker syndrome. Ann Intern Med 103: 420, 1985.
  7. Kenny, R., Sutton, R.: Pacemaker syndrome. Br Med J 293:902, 1986.
  8. Ogawa, S., Dreifus, L. S., Shenoy, P. N., Brockman, S. K., Berkovits, B. V.: Hemodynamic consequences of atrioventricular and ventricular pacing. PACE 1: 8, 1978.
  9. Naito, M., Dreifus, L. S., David, D., Michelson, E. L., Mardelli, T. J., Kmetzo, J. J.: Reevaluation of the role of atrial systole to cardiac hemodynamics: evidence for pulmonary venous regurgitation during abnormal atrioventricular sequencing Am Heart J. 105: 295, 1983.
  10. Dreifus, L. S., Mitamura, H., Rhauda, A., Vail, S., Michelson, E. L., Berkovits, B. V., Peterson, D. D., Figueroa, W. F.: Effects of AV sequential versus asynchronus AV pacing on pulmonary hemodynamics. PACE 9: 171, 1986.
  11. Nishimura, R. A., Gersh, B. J., Vlietstra, R. E., Osborn, M. J., Ilstrup, D. M., Holmes, D. R.: Hemodynamic and symptomatic consequences of ventricular pacing PACE 5: 903, 1982.
  12. McAnulty, J. H., Rahimtoola, S. H., Murphy, E., DeMots, H., Ritzmann, L., Kanarek, P.E., Kauffman, S.: Natural history of "high-risk" bundle-branch block. Final report of a prospective study. N Engl J Med 307: 337, 1982.
  13. 橋場邦武: ペースメーカーの適応. 日本医師会雑誌. 89: 1947, 1983.
  14. 橋場邦武: 人工ペースメーカーの適応と効果. 内科 38: 552, 1976.
  15. Sutton, R.: Clinical concerns. In: Current clinical applications of dual-chamber pacing. Proceedings of a symposium in Dallas, Texas, 1981, Medtronic Inc., p. 86.
  16. Perrins, J., Morley, C. A., Chan, S. L., Sutton, R.: Randomised controlled trial of physiological and ventricular pacing. Br Heart J 50: 112, 1983.
  17. Kenny, R., Ingram, A., Mitsuoka, T., Walsh, K., Sutton, R.: Optimum pacing mode for patients with angina pectoris. Br Heart J 56: 463, 1986.
  18. Alpert, M. A., Curtis, J. J., Sanfelippo, J. F., Flaker, G., Walls, J. T., Mukerji, V., Villarreal, D., Katti, S. K., Madigan, N. P., Krol, R. B.: Comparison survival after permanent ventricular and dual chamber pacing for patients with chronic high degree atrioventricular block with and without preexistent congestive heart failure. JACC 7 925, 1986.
  19. 木谷文博, 深谷真彦, 王 文雄, 早野元信, 矢野捷介, 持永俊一, 橋場邦武: 洞不全症候群における人工ペースメーカー植込み適応基準と長期成績. 心臓 9: 904, 1977.
  20. Shaw, D. B., Holman, R. R., Gowers, J. I.: Survival in sinoatrial disorder (sick sinus syndrome). Br Med J 280: 139, 1980.
  21. 満岡孝雄, 木谷文博, 深谷真彦: 洞不全症候群における長期心室ペーシングの問題点—非ペーシング例の長期予後との比較. 第7回心臓ペーシング研究会プロシーディングス, 1983, p. 25.
  22. 満岡孝雄, 平田哲也, 松本佳久, 森光弘, 谷川宗生, 清水昭彦, 植山千秋, 北野幸英, 本谷文博, 深谷真彦, 矢野捷介, 橋場邦武: 徐脈頻脈症候群における脳梗塞の発生 と予防について. 心臓ペーシング 4: 171, 1988.
  23. Sutton, R., Kenny, R. A.: The natural history of sick sinus syndrome PACE 9: 1110, 1986.
  24. Rosenqvist, M., Brandt, J., Schuller, H.: Atrial versus ventricular pacing in sinus node disease: A treatment comparison study. Am, Heart J 111: 292, 1986.
  25. Rosenqvist, M., Brandt, J., Schuller, H., Long-term pacing in sinus node disease: Effects of stimulation mode on cardiovascular morbidity and mortality. Am Heart J 116: 16, 1988.
  26. Alpert, M. A., Curtis, J. J., Sanfelippo, J. F., Flaker G. C., Walls, J. T., Mukerji, V., Villarreal, D., Katti, S. K., Madigan, N. P., Morgan, R. J.: Comparative survival following permanent ventricular and dual-chamber pacing for patients with chronic symptomatic sinus node dysfunction with and without congestive heart failure. Am Heart J 113: 958, 1987.
  27. Mitsuoka, T., Kenny, R., Au Yeung, T., Chan, S. L., Perrins, E. J., Sutton, R.: Benefits of dual chamber pacing in sick sinus syndrome. Br Heart J 60: 338, 1988.
  28. 深谷真彦, 清水昭彦, 森光弘, 谷川宗生, 植山千秋, 阿部康治, 北野幸英, 本谷文博, 橋場邦武: ペースメーカー植え込み症例の quality of life の評価. 心臓ペーシング 3: 171, 1987.
  29. 木谷文博, 上井 豊, 橋場邦武: ペースメーカー長期使用例における循環調節. 心臓ペーシング 3: 463, 1987.