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アンチエイジングおよび自費診療

タンパク質不足と浮腫(むくみ)

2014.09.01

足の「むくみ」の原因は、血流・リンパの流れの滞り、脱水、ミネラル不足等が有名ですが、タンパク質不足でも「むくみ」が起こることがあります。今回は、浮腫(むくみ)のメカニズムとタンパク質不足との関係についてご紹介します。

浮腫のメカニズム

浮腫(edema)は、細胞と細胞の間の体液(間質液)が異常に増加した状態のことです。一般的に「むくみ」とは、「皮下組織」に間質液が過剰に貯留し、体表面が腫れたような状態を指します。体液量が体重の約10%増加すると下肢浮腫の発生が認識できるとされています。

体液の組成(体重に対する重さの比率)
全水分量 約60% 細胞外液 約20% 血漿(血管内)約4%
間質液 約16%
細胞内液 約40%

血漿や間質液等の役割は、全身の細胞に栄養を届けることで、さらに間質液には老廃物を流す等の重要な働きがあります。通常、細胞の周りで働き、役目を終えた間質液は静脈またはリンパ管に捨てられるため、浮腫になることはありません。

しかし、何らかの原因で間質液の量が増えたり、排泄量が減ったりすると、細胞の周りに間質液が貯留し浮腫が生じやすくなります。

疾患と浮腫

浮腫を伴う疾患は多く、その原因は様々です。主に、細胞外液の水分量を調節するミネラルのバランスや、血流の滞り、その他にタンパク質不足が原因となります。

疾患と浮腫の例
腎臓 腎不全、ネフローゼ症候群 水、ナトリウムの排泄障害
心臓 心不全 心拍出量の減少、血圧(静脈)の上昇
肝臓 肝硬変 末梢動脈拡張、低アルブミン血症
甲状腺 甲状腺機能障害 タンパク質、ムコ多糖の間質貯留

他にも、薬剤による浮腫も報告されており、ナトリウム含量が多い薬剤や、ナトリウム貯留作用等により浮腫が生じる場合があると言われています。

タンパク質不足と浮腫

タンパク質の一種である「アルブミン(Albumin)」の不足により、浮腫が生じるケースもあります。

最も顕著な例が飢餓による 栄養失調(タンパク質不足)で、アミノ酸が豊富な母乳から離乳食に移行した際にタンパク質の十分な摂取がなされないと、浮腫等の症状が起こり、腹部の膨張が現れます。

アルブミンは、アミノ酸が約600個連なった比較的小さなタンパク質で、血漿中のタンパク質の中で最も量が多いのが特徴です。脂肪酸やミネラル、ホルモン等と結合し、体内の必要な場所にこれらを運搬する働きがあります。成人の場合、一日6〜12g程肝臓で作られ、14〜18日間働いた後、筋肉や皮膚で分解されると言われています。

ある程度の量のアルブミンが血漿中に存在することにより、血管内と血管外の水分量が調節されています(浸透圧の影響による)が、血漿中の量が不足すると水分が血管の外側に流れ、浮腫の原因となります。

アルブミンが不足する主な原因としては、下記4つが挙げられます。

  1. タンパク質(肉、魚、豆類)の摂取不足
  2. 肝臓の障害(アルブミンが作れない)
  3. 腎臓の障害(タンパク質が異常に排泄される)
  4. 腸の障害(タンパク質が吸収できない)

アルブミンは血液検査でも頻繁に利用されるバイオマーカーですので、むくみが気になる方には是非一度チェックしてみてください。

現代の栄養失調

現代の日本において飢餓に陥ることは少ないのですが、偏った食事や急激なダイエット、高齢で食が細くなったとの理由でタンパク質の摂取不足になりがちです。このような食生活を繰り返すことで腸内環境が悪化し、タンパク質の吸収が悪くなります。浮腫を防ぐためには小腸、肝臓、腎臓を保護し、ビタミン・ミネラルをはじめ、良質なタンパク質をしっかり食べることが重要です。

【参考】
光生館:臨床医科学入門、中外医学社資料、中外医学社:チャートで学ぶ病態生理学、公共財団法人日本心臓財団HP、一般社団法人日本血液製造協会HP、ThomsonWadsworth:Nutrition Concepts and Controversies

(2014年8月ヘルシー・パス提供)

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